撮影機材レビュー
第5回
今回お送りするのは
「SP AF 28-75mm F/2.8 XR Di LD Aspherical [IF] MACRO (MODEL A09)」
です。名前長過ぎんでしょ(´ω`;)
-------------
-------------
このレンズは、それまで所有レンズがキットレンズの2本のみだった私が
初めて単独で購入したレンズです。
■簡易紹介
発売自体はかなり前、最初期は2003年のようで、
今回レビューするAFモーター内蔵(D5100にはとっても大事)は
2008年に発売となっているモデルです。
”SP AF 28-75mm F/2.8 XR Di LD Aspherical [IF] MACRO (MODEL A09)”
と、とっても長い名前ですがTamronのレンズは 基本的にモデルネームで呼ばれる傾向が有り
このレンズも例に漏れず ”A09” の名で親しまれているようです(´ー`)
親しまれるのにも理由があり、
兎にも角にもこのレンズは安価でありながら28mm-75mmズーム全域において
F/2.8を実現している点が最大のポイントであり、
さらに言えばフルサイズ用レンズでもあるため、私の利用しているD5100はもちろん、
将来的にフルサイズ機に移行した際もそのまま利用できるという資産性もポイント高しです(*゚∀゚)
▼公式スペック▼
モデル名 A09 (AFモーター内蔵のニコン用はA09N II)
焦点距離 28-75mm
画角 75°-32°
明るさ F/2.8
レンズ構成 14群16枚
絞り羽根枚数 7枚
最短撮影距離 0.33m(ズーム全域)
最大撮影倍率 1:3.9(f=75mm、最短撮影距離)
長さ*1 92mm※
全長*2 100.5mm※
最大径 φ73mm フィルター径 φ67mm
質量 510g※
付属品 専用花形フード
対応マウント ニコン用/キヤノン用/ソニー用/ペンタックス用
AFモーター内蔵ニコン用レンズ(A09N II)は2008年5月30日発売
希望小売価格 \55,000(税込\57,750)
*1 長さは、レンズ先端からマウント面までの距離。
*2 全長は、レンズ先端から突出部分を含むレンズ後端部までの距離
※印はニコン用の数値です。
では早速その写りを見てみましょう。
お約束事は以下の通り。
■撮影対象
・「コトブキヤ シャイニング・ハーツ 王女殿下の料理番 ローナ」
■撮影環境
・室内
・ガラスケース内
・正面のガラスは開けて撮影=遮蔽物無し
・室内蛍光灯1灯+ケース上照明2灯
・スピードライト及び内蔵フラッシュは使用せず
・三脚とレリーズケーブル使用
■撮影シーン
・ワイド端とテレ端
・全体が入る構図
・最も寄れるところまで寄ったもの
の2パターンを撮影。いずれも右目に対しピントを合わせます。
(フォーカスポイント:全体図は中央上,寄りは中央)
■撮影設定(D5100内部設定)
・RAW
・撮影モード:絞り優先(Aモード)
・ホワイトバランス:AUTO
・ISO100
・露出±0
・MF
・マルチパターン測光
・フラッシュ:OFF
・アクティブDライティング:OFF
・長秒時ノイズ低減:OFF
・高感度ノイズ低減:OFF
の状態で絞り開放からf8まで1段ずつ絞って撮影。
■現像
・撮影したものはLightroomにてJPEGに現像
■現像設定
・RAW→JPEG(解像度はそのまま)
・sRGB
・圧縮品質100
・当たり前ですが現像時はJPEG化するのみで上記以外全て弄らない
■その他特記事項
Q,なぜf/8までなのか?
A,レンズは通常f/8時が性能のピークになるように設計されているため
-------------
-------------
■28mm全体
f/2.8
f/3.2
f/3.5
f/4
f/4.5
f/5
f/5.6
f/6.3
f/7.1
f/8
*広角特有の歪みはやはり出ていますが、
さすがにAF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR程ではないです。
しかしフィギュアを撮るにあたっては少々この歪みは厳しい物があります。
開放f/2.8時は全体的にほんわかした絵になるのと、やはり周辺減光か顕著。
1段絞るだけでも劇的に変わるのでSS稼ぎや被写界深度を稼ぎたいわけでなければ
常に開放ではなく多少は絞って使いたいところ。
欲を言えば写真を見てもそうですが、大体f/4まで絞った辺りから劇的に変わりますので
スローシャッター上等のフィギュア撮影においてこれを利用しない手はないと思います※。
※もちろんただ絞ってりゃ良いって話でもないので表現の範囲内での話ですけれども
---------------------------------------------------------------------
■75mm全体
f/2.8
f/3.2
f/3.5
f/4
f/4.5
f/5
f/5.6
f/6.3
f/7.1
f/8
*テレ端となる75mm側での撮影一覧
こちらは広角側と違い歪みはほぼ無いように見受けられます。
レンズ特性も28mm時と全く同じ感じで
絞り開放f/2.8だとやんわりした絵。周辺減光顕著。
1段絞るだけで周辺減光はかなり消え、シャープネスもグッと上昇。
そしてやはりf/4辺りから急に世界が変わるのも同様。
被写界深度の関係もありますが、ピントを合わせている右目と
おおよそ同じライン上にある胸元の網網をそれぞれ見比べると
その差がより際立って面白いですφ(。。)
---------------------------------------------------------------------
■75mm最短焦点距離
f/2.8
f/3.2
f/3.5
f/4
f/4.5
f/5
f/5.6
f/6.3
f/7.1
f/8
*これは私自身も意外だったのですが、こと”寄る”という点については
AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VRのがほんの少し寄れると言う事。
「MACROと名の付く方が寄れるでしょ!」
とか単純な思考で判断しちゃダメですね(ノ∀`)ちゃんとスペックシート見ましょう
余談ですが、この写真が絞りによる写りの差が一番解りやすいです。
このレンズがf/4から化けるのが良くわかります。
さらに見ていくとf/5.6でももう一段階化けてるようにも見受けられます。
おそらくここが中央域での解像のピーク。f/5.6以降は周辺へのピーク帯の移行。
といった感じでしょうか。
---------------------------------------------------------------------
■総評
ワイド端(28mm) 3-4
テレ端(75mm) 3-4
フォーカススピード 4
重さ(携帯性) 4
これまでのこのレンズの癖をざっとまとめると
・開放はF/2.8がよく効き、SSも稼げてボケも得やすい
・ボケはなめらかで綺麗
・開放はふわっとした描写になるのでポートレートなどにうってつけ
・シャープに撮りたいときはf/4以上に絞ると良
・キットレンズよりはフィギュア撮影に向いている
その他にも
AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR
AF-S DX NIKKOR 55-300mm f/4.5-5.6G ED VR
といったキットレンズと比べて
オートフォーカスが圧倒的に早く、迷う頻度もだいぶ減りました。
モーターの音はそこそこ大きいですが、
個人的にはこれはこれで”機械を扱ってる感”があって好きです。
それから何度もしつこいようですが
このレンズの最大の魅力はズーム全域でのF/2.8。
キットレンズがテレ端でf/5.6スタートであるのに対して、
同一の光量を得つつ開放から6段絞った状態でのf/5.6、
これは写りの面でも、その余裕から生まれる表現の幅でも大きな差となっています。
マイナスポイントとしては
・ある意味ポートレートには向いているが、
裏を返すと開放からシャープというわけでは無いので過度な期待は禁物。
・手ぶれ補正が無いためテレ端での同一SSで比較した際の打率の低下。
・地味にAPS-C環境では広角28mmでは足りないシーンが多い(非フィギュア撮影時)
・MACROとあるがそこまで極端に寄れるわけじゃない
といったところでしょうか。
長くなりましたが、良い所も悪い所もこのレンズの癖を理解すれば
これほど面白く、且つ使えるレンズもなかなか無いのでは無いかと思います(。・∀・)
キットレンズ卒業の1本にオススメです。
ではまた(* 'ω')ノ
第5回
今回お送りするのは
「SP AF 28-75mm F/2.8 XR Di LD Aspherical [IF] MACRO (MODEL A09)」
です。名前長過ぎんでしょ(´ω`;)
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このレンズは、それまで所有レンズがキットレンズの2本のみだった私が
初めて単独で購入したレンズです。
■簡易紹介
発売自体はかなり前、最初期は2003年のようで、
今回レビューするAFモーター内蔵(D5100にはとっても大事)は
2008年に発売となっているモデルです。
”SP AF 28-75mm F/2.8 XR Di LD Aspherical [IF] MACRO (MODEL A09)”
と、とっても長い名前ですがTamronのレンズは 基本的にモデルネームで呼ばれる傾向が有り
このレンズも例に漏れず ”A09” の名で親しまれているようです(´ー`)
親しまれるのにも理由があり、
兎にも角にもこのレンズは安価でありながら28mm-75mmズーム全域において
F/2.8を実現している点が最大のポイントであり、
さらに言えばフルサイズ用レンズでもあるため、私の利用しているD5100はもちろん、
将来的にフルサイズ機に移行した際もそのまま利用できるという資産性もポイント高しです(*゚∀゚)
▼公式スペック▼
モデル名 A09 (AFモーター内蔵のニコン用はA09N II)
焦点距離 28-75mm
画角 75°-32°
明るさ F/2.8
レンズ構成 14群16枚
絞り羽根枚数 7枚
最短撮影距離 0.33m(ズーム全域)
最大撮影倍率 1:3.9(f=75mm、最短撮影距離)
長さ*1 92mm※
全長*2 100.5mm※
最大径 φ73mm フィルター径 φ67mm
質量 510g※
付属品 専用花形フード
対応マウント ニコン用/キヤノン用/ソニー用/ペンタックス用
AFモーター内蔵ニコン用レンズ(A09N II)は2008年5月30日発売
希望小売価格 \55,000(税込\57,750)
*1 長さは、レンズ先端からマウント面までの距離。
*2 全長は、レンズ先端から突出部分を含むレンズ後端部までの距離
※印はニコン用の数値です。
では早速その写りを見てみましょう。
お約束事は以下の通り。
■撮影対象
・「コトブキヤ シャイニング・ハーツ 王女殿下の料理番 ローナ」
■撮影環境
・室内
・ガラスケース内
・正面のガラスは開けて撮影=遮蔽物無し
・室内蛍光灯1灯+ケース上照明2灯
・スピードライト及び内蔵フラッシュは使用せず
・三脚とレリーズケーブル使用
■撮影シーン
・ワイド端とテレ端
・全体が入る構図
・最も寄れるところまで寄ったもの
の2パターンを撮影。いずれも右目に対しピントを合わせます。
(フォーカスポイント:全体図は中央上,寄りは中央)
■撮影設定(D5100内部設定)
・RAW
・撮影モード:絞り優先(Aモード)
・ホワイトバランス:AUTO
・ISO100
・露出±0
・MF
・マルチパターン測光
・フラッシュ:OFF
・アクティブDライティング:OFF
・長秒時ノイズ低減:OFF
・高感度ノイズ低減:OFF
の状態で絞り開放からf8まで1段ずつ絞って撮影。
■現像
・撮影したものはLightroomにてJPEGに現像
■現像設定
・RAW→JPEG(解像度はそのまま)
・sRGB
・圧縮品質100
・当たり前ですが現像時はJPEG化するのみで上記以外全て弄らない
■その他特記事項
Q,なぜf/8までなのか?
A,レンズは通常f/8時が性能のピークになるように設計されているため
-------------
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■28mm全体
f/2.8
f/3.2
f/3.5
f/4
f/4.5
f/5
f/5.6
f/6.3
f/7.1
f/8
*広角特有の歪みはやはり出ていますが、
さすがにAF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR程ではないです。
しかしフィギュアを撮るにあたっては少々この歪みは厳しい物があります。
開放f/2.8時は全体的にほんわかした絵になるのと、やはり周辺減光か顕著。
1段絞るだけでも劇的に変わるのでSS稼ぎや被写界深度を稼ぎたいわけでなければ
常に開放ではなく多少は絞って使いたいところ。
欲を言えば写真を見てもそうですが、大体f/4まで絞った辺りから劇的に変わりますので
スローシャッター上等のフィギュア撮影においてこれを利用しない手はないと思います※。
※もちろんただ絞ってりゃ良いって話でもないので表現の範囲内での話ですけれども
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■75mm全体
f/2.8
f/3.2
f/3.5
f/4
f/4.5
f/5
f/5.6
f/6.3
f/7.1
f/8
*テレ端となる75mm側での撮影一覧
こちらは広角側と違い歪みはほぼ無いように見受けられます。
レンズ特性も28mm時と全く同じ感じで
絞り開放f/2.8だとやんわりした絵。周辺減光顕著。
1段絞るだけで周辺減光はかなり消え、シャープネスもグッと上昇。
そしてやはりf/4辺りから急に世界が変わるのも同様。
被写界深度の関係もありますが、ピントを合わせている右目と
おおよそ同じライン上にある胸元の網網をそれぞれ見比べると
その差がより際立って面白いですφ(。。)
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■75mm最短焦点距離
f/2.8
f/3.2
f/3.5
f/4
f/4.5
f/5
f/5.6
f/6.3
f/7.1
f/8
*これは私自身も意外だったのですが、こと”寄る”という点については
AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VRのがほんの少し寄れると言う事。
「MACROと名の付く方が寄れるでしょ!」
とか単純な思考で判断しちゃダメですね(ノ∀`)ちゃんとスペックシート見ましょう
余談ですが、この写真が絞りによる写りの差が一番解りやすいです。
このレンズがf/4から化けるのが良くわかります。
さらに見ていくとf/5.6でももう一段階化けてるようにも見受けられます。
おそらくここが中央域での解像のピーク。f/5.6以降は周辺へのピーク帯の移行。
といった感じでしょうか。
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■総評
ワイド端(28mm) 3-4
テレ端(75mm) 3-4
フォーカススピード 4
重さ(携帯性) 4
これまでのこのレンズの癖をざっとまとめると
・開放はF/2.8がよく効き、SSも稼げてボケも得やすい
・ボケはなめらかで綺麗
・開放はふわっとした描写になるのでポートレートなどにうってつけ
・シャープに撮りたいときはf/4以上に絞ると良
・キットレンズよりはフィギュア撮影に向いている
その他にも
AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR
AF-S DX NIKKOR 55-300mm f/4.5-5.6G ED VR
といったキットレンズと比べて
オートフォーカスが圧倒的に早く、迷う頻度もだいぶ減りました。
モーターの音はそこそこ大きいですが、
個人的にはこれはこれで”機械を扱ってる感”があって好きです。
それから何度もしつこいようですが
このレンズの最大の魅力はズーム全域でのF/2.8。
キットレンズがテレ端でf/5.6スタートであるのに対して、
同一の光量を得つつ開放から6段絞った状態でのf/5.6、
これは写りの面でも、その余裕から生まれる表現の幅でも大きな差となっています。
マイナスポイントとしては
・ある意味ポートレートには向いているが、
裏を返すと開放からシャープというわけでは無いので過度な期待は禁物。
・手ぶれ補正が無いためテレ端での同一SSで比較した際の打率の低下。
・地味にAPS-C環境では広角28mmでは足りないシーンが多い(非フィギュア撮影時)
・MACROとあるがそこまで極端に寄れるわけじゃない
といったところでしょうか。
長くなりましたが、良い所も悪い所もこのレンズの癖を理解すれば
これほど面白く、且つ使えるレンズもなかなか無いのでは無いかと思います(。・∀・)
キットレンズ卒業の1本にオススメです。
ではまた(* 'ω')ノ